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寝だめに効果はある?効果はない?
大型連休中で日ごろお仕事でお忙しい方でも多少はゆっくり過ごせているのではないでしょうか?
連休中は外出する方もいれば、ご自宅でゆっくり過ごされる方も多いかと思います。
日本人は先進国の中でも最も睡眠時間が短く常に睡眠が不足している状態です。
普段はお仕事でお忙しく睡眠が不足しているのでこの連休中にたくさん寝て睡眠不足を補いたいところですよね。
今回はそういった寝だめに効果があるかどうかのご説明をしていきます。
寝だめの効果について
そもそも寝だめとは、一般的に平日の睡眠不足を休日や長期休暇ににまとめて長く寝ることで補おうとする行為を指します。
しかし、睡眠は「ためる」ことができないため、実際には平日の睡眠不足を補っている状態と言えます。
結論から言えばためる事が出来ないわけですが、ストックホルム大学での研究結果に寝だめが効果的と捉えても良いものが
ございましたのでご紹介させていただきます。
この研究はスウェーデンで4万3880人を対象に行われたもので睡眠習慣について調査し、13年間にわたり追跡調査したものです。
その結果、夜間の睡眠時間が週末も含めて常に5時間以下だった人は、7時間の睡眠をとっていた人に比べて、調査期間中の死亡率が高いことが分かりました。
また、夜間の睡眠時間が常時8時間以上だった人も、死亡率が高い傾向がわかりました。
ここからが寝だめに関して効果的と捉えられる部分で、平日夜間の睡眠時間が短くても、週末に朝寝坊していた人の死亡率は、常時7時間の夜間睡眠を確保していた人と変わらなかった。ただしそれが当てはまるのは65歳未満のみで、それ以上の年齢になると死亡率に差はなかった。
つまり、毎日5時間未満の睡眠時間の人も毎日8時間以上の睡眠時間の人も死亡率が高くなるが
平日の睡眠時間が5時間未満でも週末だけゆっくり起きる(寝だめ)する人は毎日7時間寝る人と
同等の効果があるという研究結果になります。
しかしながら寝だめを好意的に捉えられる研究結果はこの研究結果ぐらいでありほとんどの論文等では寝だめは否定的な意見の方が多くなっています。
寝だめのデメリット
①体内時計の乱れ (ソーシャルジェットラグ)
平日の睡眠時間と週末の睡眠時間のずれが大きいほど、肥満、糖尿病、心血管疾患のリスクが高まることが報告されています。
具体的には、平日の睡眠不足を週末に2時間以上長く寝ることで補おうとする人は、そうでない人に比べてBMIが高くインスリン抵抗性が高い(インスリンが効かないため太りやすい)傾向にあることが報告されています。
②睡眠慣性による日中のパフォーマンス低下
深い睡眠から無理やり起こされた場合や普段と異なる時間に起床した場合に、目覚めてからしばらくの間認知機能や運動能力が低下する「睡眠慣性」と呼ばれる現象があります。
週末の寝だめによって普段よりも長く寝たり起床時間が大幅に遅れたりすると、この睡眠慣性が強く現れ午前中の仕事や活動の効率を低下させる報告があります。
ナップ
連休中の寝だめについては上記観点からオススメ出来ません。
しかし日ごろの睡眠不足を補いたい方は短時間のお昼寝(ナップ)をおこなってみてください。
ナップとは、午後の眠気や疲労感を軽減し集中力や作業効率を高めることを目的とした短時間の仮眠のことです。
積極的仮眠や戦略的仮眠とも呼ばれます。
ナップのポイント
- 時間: 15分から長くても30分以内。これ以上長いと深い睡眠に入ってしまい、目覚めた後に倦怠感(睡眠慣性)が残ることがあります。
- 時間帯: 午後の早い時間帯(15時まで)夕方以降の仮眠は夜の睡眠に影響を与える可能性があります。
- 場所・姿勢: 横になると深い眠りに入りやすいため、椅子に座ったままや、机にうつ伏せるなど、楽な姿勢で眠るのがおすすめです。
- カフェイン: パワーナップ前にカフェインを摂取すると、目覚める頃に覚醒効果が現れやすいためよりすっきり起きられます。
休日や連休ぐらいお昼ごろまでゆっくりと寝たいですが、その結果睡眠のリズムが崩れてしまいかえって
連休明けや月曜日に体がだるくなってしまいます。
どうしても眠りたい方はナップで睡眠を補ってみてください。