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当施設における腰痛に対してのマネージメント
マッケンジー法を皆様はご存知でしょうか?
マッケンジー法とは、
ニュージーランドの理学療法士、ロビン・マッケンジー氏によって、
1950年代に考案されて以来、広く活用されている健康回復のための
自己管理方法です。
元々このマッケンジー法のはじまりになった、エピソードがあります。
このエピソードを私自身知った時は驚いたので、紹介させていただきます。
ロビン・マッケンジー氏が理学療法士としてまだ若かりし頃、彼は、
マニュピレーションを主体としたアプローチを行っていました。
ある日彼はとても忙しいスケジュールの中、スミス氏という方を
見ることになっていました。スミス氏は腰痛と下肢の坐骨神経痛を
3週間前から訴えていましたが、どのようなアプローチを行っても良くなる傾向が
見られなかったのです。
マッケンジー氏は待合室で待つスミス氏に
「うつ伏せになって寝ているように」
と伝え数分その場を離れました。
しかしそのベッドは、前の方が使用し、背もたれを起こした状態
にセットされたままになっていたのです。
マッケンジー氏が戻ってくると
スミス氏が腰を大きく反らした過伸展の姿勢でベッドに寝ていたため
それをみたマッケンジー氏は仰天しました。
なぜなら50年前のニュージーランドでは、その姿勢は腰痛患者に
最も悪い姿勢と考えられていたからです。
マッケンジー氏がスミス氏に今の状態を尋ねてみると、
なんとスミス氏は今までで一番調子が良いと答えたのです。
スミス氏の下肢症状は消え、わずかな腰の痛みだけが
残存するまでに改善しました。
翌日、数分間また同じ姿勢をとってもらうと、
わずかに残っていた腰の痛みも完全に消失したのです。
この体験をきっかけとしてマッケンジー氏は調査と研究をかさね、
現在のマッケンジー法を作ったのです。
今現在、長期間の痛みの原因は
・恐怖回避思考モデル
が大きく関わっているといわれています。
恐怖回避思考モデルとは
痛みの体験に対して、悲観的な解釈をしてしまい、
痛みへの不安、恐れ感を持ち、過剰な警戒心、回避行動をとり
痛みの慢性化を起こしてしまうことを指します。
楽観的に痛みと向き合うことで軽快、快復に向かっていきます。
現在マッケンジー法は、腰痛や首の痛み、手足の痛みなどで悩む人が、
自信の問題を自らが主役となって解決すべきであると考え、
痛みの消失を目的とせず、自分自身で痛みをマネジメントできることを
目的としています。
マッケンジー法は多くの書籍が出ていますし、自宅でできるエクササイズ
も含めて紹介されています。
慢性痛で悩まれている方は、是非1度、調べて頂ければと思います。
また1度ご自身の痛みの原因を知りたい、身体を一度見てもらいたいと
いう方は、一度当施設にご連絡下さい。