コラム

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椎間板ヘルニアや坐骨神経痛によるお尻や太ももの痛みについて

背中・腰

リモートワークの影響で自宅の合わない机や椅子

もしくは床に座って長時間仕事をすることにより

腰の痛みやお尻や大腿部(太もも)の痛みやシビレを

訴えてご来院される方が非常に増えてきています。

 

こういった症状の場合、ご自分で行うストレッチや

マッサージは有効ではなく寧ろ

悪化してしまう可能性があります。

 

今回はお尻や太ももの痛みやシビレの原因についてと

アプローチの方法について解説していきます。

 

リモートワークによって発生する臀部、大腿部の痛みシビレの原因

リモートワークの影響で発生する、臀部や大腿部のシビレの原因には

いくつかの組織が該当しますがその中でも

最も可能性として高いのは椎間板という組織の問題です。

 

椎間板という組織は一つ一つの背骨と背骨の間にある

クッションのような役割を果たしている組織になります。

 

この椎間板という組織は外側がバームクーヘンのように何層にも分かれており

その内側には髄核というゼリーが入っています。

 

外側のバームクーヘンが破れてしまい内側のゼリーが

外側に飛び出してしまった状態を椎間板ヘルニアといいます。

(ヘルニアとは飛び出しているという意味)

ゼリーが飛び出してしまうと、神経のおおもとの部分や

脊柱管という脊髄が入っている管を圧迫してしまうため

痛みやシビレ、感覚の異常や麻痺などを引き起こしてしまいます。

 

この椎間板という組織にかかる負担が増してしまうと

椎間板ヘルニアや椎間板症(バームクーヘンの何層かに亀裂が入っている状態)

を発症してしまうのですが、椎間板のストレスが増してしまう要因が

長時間の座位になります。

 

椎間板にかかるストレスを立っている状態で100%とすると

座っているだけでそのストレスは140%まで上昇してしまいます。

座っている状態から、前かがみの姿勢になるとそのストレスは185%

まで上昇しています。

 

デスクワークの場合多くの方が前かがみの姿勢になる為

椎間板の負担は増しているのですが

在宅でのお仕事の場合は職場で仕事をするよりも

立ち上がったりする回数が減ってしまう為

さらに長時間椎間板にストレスがかかってしまいます。

 

余談ですが、最近スタンディングでの仕事が推奨されているのは

上記のような理由になります。

 

もう一つ座位が原因を痛みまで引き起こす組織に

挙げあれるのが仙腸関節という関節です。

 

この仙腸関節は骨盤の仙骨と腸骨という骨で

形成される関節になりますが

ほとんど動かない関節とされています。

 

しかしながら身体の感覚を司るセンサーが非常に豊富で

口の中よりも感覚が繊細と言われております。

 

また関連痛という仙腸関節が原因なのにも関わらず

他の部位に痛みを引き起こすことが多々あり

長時間の座位で仙腸関節の負担が増すと

お尻やふとももに痛みを引き起こします。

 

ストレッチやマッサージは要注意

冒頭でご自身で行うマッサージやストレッチは

注意が必要と述べましたので

そのことについて解説していきます。

 

椎間板にかかるストレスの話で座位でさらに前かがみの

姿勢になるとさらにストレスが増すと述べましたが

基本的に姿勢に関わらず前かがみのポジションになると

椎間板にかかる負担は増してしまいます。

 

例えば太ももの後ろが痛いのでここを伸ばそうと

長座位(両足をまっすぐ伸ばす姿勢)で身体を前に倒して

手でつま先をつかもうとするストレッチを行うと

椎間板には非常にストレスがかかる為

かえって太ももの症状は悪化してしまいます。

 

また仙腸関節が炎症を起こしていた場合に

気になる部分を自分でマッサージしてしまうと

余計、炎症症状が悪化してしまうため

やはりマッサージ前よりもさらに

症状が強くなってしまう場合があります。

 

単なる腰痛ではなく、お尻や太ももまで波及するような

症状がある場合は少し様子を見ようと放置しても改善されず

寧ろだんだんと悪化してしまうことが多いため

このような症状にお悩みの際は一度当施設へご相談ください。